ここ数年高い注目を集めているソフトボード。
様々なメーカーから高性能かつ、デザイン性の高いモデルが販売され、ひと昔前の”サーフショップに置いてあるレンタル用のダサい初心者ボード”といったイメージも過去のものと言えるでしょう。
この記事では、サーフィン初心者のファーストボードとして、また経験者のセカンドボードとしても選ばれているソフトボードについて解説していきます。
※YouTubeやインスタで話題のビーチアクセスについては以下の記事で解説しています。

ソフトボードとは

ソフトボードは、通常のハード素材でできたサーフボードとは異なり、IXPEやEVAといった柔らかな発泡素材でサーフボードの表面をコーティングして作られています。
それ故軽く、浮力が大きいことが大きな特徴で、”パドリングがしやすい”、”テイクオフが速い”といったメリットがあります。
「早く波に乗って楽しみたい、たくさん波に乗って上達したい」という初心者の方に非常におすすめで、難しいイメージのあるサーフィンを簡単に、気軽に楽しむことができる画期的なボードであると言えます。
ただその反面、経験のあるサーファーからすると”レールが厚くてターンがやり辛い”、”クイックに動けない”といった印象があるでしょう。
しかし、最近のソフトボードは以前のものと比較をして非常に進化しています。
例えばレール部分が薄く削られ、しっかり波に入っていくようになっていたり、コンケーブが施され水流を作り出すようにデザインされていたり、EPSボードをソフト素材で包み込むことによって、通常のハードボードのような乗り味を実現したものも多く登場しています。
また、セカンドボードとしてソフトボードを使用するプロサーファーも増えたことから、改めて注目を集めています。
ソフトボードのメリット・デメリット

ソフトボードのメリット
- 波をつかまえやすく、たくさん波に乗れる
- 怪我をしにくい、させにくい
- 壊れにくい
- 安い
波をつかまえやすく、たくさん波に乗れる
ソフトボードの最大のメリットとも言えるのが、浮力があることで波の力を受けやすく、小さな波でもつかまえることができます。
また、浮力があることで初心者の方の最初の壁ともいえるパドリングやテイクオフが簡単に、速く行うことが可能です。
たくさんの波に乗ることができればその分上達のスピードも速く、挫折せずにサーフィンの楽しさを思う存分味わうことができるでしょう。
怪我をしにくい、させにくい
初心者のうちは自分の足、特にスネやヒザにボードをぶつけてしまい、アザができてしまったなんてことがよくあります。
また、特にハイシーズンなどサーファーが多い時期には、混雑した海で他のサーファーとぶつかり、怪我をさせてしまうといったリスクがあります。
ソフトボードは素材自体が柔らかいことに加えて、先端が尖っていないため、自分はもちろん、一緒に行ったサーフィン仲間やパートナー、他のサーファーに対しても安全性が高いと言えます。
壊れにくい
通常のハードボードは衝撃に弱く、倒したり、ぶつけたりすることで意外と簡単に傷やヒビが入ってしまい、そのたびに修理が必要になります。
また、ヒビや傷から内部に水が浸入し、浮力が落ちるといったこともありますので扱いに注意が必要です。
しかしその反面、ソフトボードの表面はクッション性のあるソフト素材であるため、ハードボードに対して衝撃に強く、ぶつけてしまってヒビが入るというようなことはほとんどないでしょう。
安い
ソフトボードも通常のサーフボードもピンキリですが、総じてソフトボードの方がリーズナブルで手が出しやすい価格設定といえるでしょう。
サーフボードに関して言えば10万円を超えることが”ざら”ですが、その反面ソフトボードはその半額、もしくは半額以下で買えるモデルも多く、例えばコストコで売られているソフトボードは1万円ちょっとで買うことができます。
しかし、あまりにも安価なメーカーやモデルはたわんだり、跳ねるようなあまり乗り心地の良くないの物も多いので注意が必要です。
ソフトボードのデメリット
- クイックな動きやターンがしにくい
- 水を吸う
- ワックスが落ちにく
クイックな動きやターンがしにくい
通常、レール(ボードのエッジ)を波に食い込ませることによってターンを行いますが、ソフトボードは一般的なサーフボードと異なり、ボード自体に厚さがあるためクイックなターンが難しいことが挙げられます。
また、それによってターンの際に変な癖がついてしまうといったことが挙げられます。
対策としては、ターンの練習もできる高性能なソフトボードを選ぶ、もしくはソフトボードでテイクオフや波に乗る感覚をつかんだ後に、一般的なサーフボードに乗り換えを検討するといったことでしょうか。
水を吸う
一般的なハード素材でできたサーフボードと違い、ソフトボードの特性上ある程度水を吸い、ボード自体が重くなることがあります。
メーカーやモデルによって異なりますが、使用後は水抜きが必要になります。
経験上ぼたぼた垂れるほどのことはないと思いますが、車内に積み込む際や部屋にしまう際に、ある程度乾かしてからの方がいいかもしれません。
ワックスが落ちにくい
素材の特性上、ワックスが中に入り込んでしまい、サーフボードのようにワックススクレーバーで綺麗に落とすことは難しいでしょう。
無理にスクレーバーやリムーバーを使うと塗装がはがれてしまう原因となります。
対策としてはワックス不要のモデルを選ぶか、デッキシールを張るといったところでしょう。
ソフトボードの選び方

- 自分の体格と楽しみ方に合った長さのモノを選ぶ
- ノーズの形状は波の大小に合わせて選ぶ
- フィンが付けられる数をチェック
自分の体格と楽しみ方に合った長さのモノを選ぶ
初心者にはバランスが取りやすい「ロング」か「ミッドレングス」がおすすめ
サーフィン初心者の方におすすめなのがロング、またはミッドレングスです。
もともと浮力のあるソフトボードですが、ロングはショートに比べてボリュームがあるぶん、より安定感や浮力が増し、テイクオフがしやすい、小さい波でもつかまえやすいといったメリットがあります。
また、パドリングも楽に行うことができるでしょう。
具体的には7ftから8ft程度のモデルがおすすめです。
この程度の長さであれば、取り扱いや持ち運び、車への積み込みといった点でも扱いやすく便利といえるでしょう。
中級者・上級者はさまざまなパフォーマンスが楽しめる「ショート」がおすすめ
アグレッシブに楽しみたい、様々なパフォーマンスをしたいという中級者、上級者にはショート、もしくはミッドレングスがおすすめです。
最近のソフトボードは乗り心地と浮力を兼ね備えた高性能なモデルも多いため、ちゃんとしたものを選べば、経験のある方でも十分に満足できるでしょう。
ノーズの形状は波の大小に合わせて選ぶ
「ラウンドノーズ」は崩れやすい日本の波にぴったり
海外と比較して日本の波は小波で崩れやすいことが特徴の一つです。
そのような環境にはボード先端が丸くなっているラウンドノーズがおすすめです。
先端が丸くデザインされていることによって、波への接着面が広くなり安定感があることに加え、微細な動きが可能で、テイクオフしやすいというメリットもあります。
初心者や子供の最初の一本として選ぶならば、ラウンドノーズを選択するのがいいでしょう。
「ピンノーズ」は大波に乗る場合におすすめ
ある程度の経験がある中級者や上級者はピンノーズがおすすめです。
先端が尖ったピンノーズは大きな波に対してもパドリングしやすいうえ、突破力があるためしっかり切り込んでいくことができます。
しかしラウンドノーズに比べて波への接着面が少ないこともあり、コントロールが難しいことが挙げられます。
フィンが付けられる数をチェック
ボードの舵取りに重要なのがフィンですが、モデルによって付けられるフィンの数が異なります。
どのような乗り方をしたいかによってフィンの数や装着する位置が異なりますので、購入する際にはしっかりチェックしましょう。
安定性を求める方
一般的にフィンの数が多いほど安定感が増し、様々な波に対応できるため、初心者の方やどんな乗り方をしたいか決まっていない方は3つ(トライフィン)か4つ(クアッドフィン)フィンを付けられるモデルがおすすめです。
また、複数のフィンを付けられるモデルでも、好みによってフィンの数を調整することが可能です。
スピード感を楽しみたい方
スピード感を楽しみたい方は1つ(シングルフィン)もしくは2つ(ツインフィン)がおすすめです。
水面への抵抗が少なく、直進性に優れたシングルフィンは小さな波や厚く割れにくい波に最適です。
また、左右の動作もプラスしたいという方はツインフィンがおすすめです。
ソフトボードに関するよくある疑問

ソフトボードとスポンジボードの違いは?
呼び方は異なりますが、ソフトボードとスポンジボードは同じものです。
また、最近ではソフトボードとハードボードのメリットを兼ね備えたソフトトップボードが人気を集めています。
通常のハードボードをソフト素材包んだソフトトップボードも、ソフトボードと呼ばれることがほとんどのため、見分けるためにはボードの構造を確認する必要があります。
ソフトボードの寿命は?
結論から言うと、使い方やボードの管理や手入れによって異なります。
といってもがっかりされてしまうと思うので、あくまで一般的に言われている平均的な寿命としては3年といわれています。
しかし、あくまでも平均であり目安であり、使用頻度や手入れ、保管方法などによって大きく変わることを理解しておきましょう。
ソフトボードを少しでも長く使用するには以下のような点に注意しましょう。
- 使用後は水で海水を洗い流す
- ボードが吸った水分を出してから保管する
- 直射日光を避け、風通しがよく、湿気の少ない場所で保管する
- 車の中や上に長時間放置しない
- 移動時にはハードケースに入れる
- ワックス不要モデルか、デッキパッドを使用する
ソフトボードにはワックスやパッドは必要?
ソフトボードにもワックス、もしくはデッキパッドは必要です。
定期的にワックスを落とし、再び塗りなおすという作業は必要ですが、ハードボードとは違い、ソフトボードは素材の中にワックスが入り込み、ワックスを完全に綺麗に落とすことは難しいでしょう。
そのため、ソフトボードを選ぶ際にワックス不要のモデルを選ぶ、もしくはデッキパッドを使用することがおすすめです。
それによって乗り心地や、よごれはもちろんですが、ソフトボード自体の寿命を延ばすことにもつながるでしょう。
まとめ

この記事では、サーフィン初心者のファーストボードとして、また経験者のセカンドボードとしても選ばれているソフトボードについて解説してきました。
様々なメーカーから高性能かつ、デザイン性の高いモデルが販売され、ひと昔前の”サーフショップに置いてあるレンタル用のダサい初心者ボード”といったイメージも過去のものと言えるでしょう。
ソフトボードの選び方をしっかり押さえ、自身にあった一本を選んでみてはいかがでしょうか。
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